スプートニクVの接種状況?

プーチンさんはつい先日(13日)、全員を対象としたコロナウイルスに対する大量ワクチン接種の開始を指令しましたが、その数日前の11日には、タス通信がすでに150万人がロシア製ワクチンのスプートニクVの接種を受けたと報じています。これはこれで大したもんですが、実際はどうなんでしょうか。

ロシアではワクチンの全国の接種状況に関する公式統計はなく、政府要人の報道会見、ロシアのソブリンウェルスファンドの報道発表や、スプートニクVの公式SNSアカウントなどを通じて非定期的にいろいろな数字が公表されています。ただ、これらの数字の詳細はなく、いつも10万単位で、「XX0万以上」とかいう感じで発表されているので「ホンマかいな」と勘繰る向きもけっこういます。

ただし、ロシアの地方行政単位である、85の連邦構成体(州、地方、自治区など)では、結構詳しいデータが公表されています。このデータがどう見ても連邦政府の数字とは辻褄があっていないのです。例えば、人口の59%を占める44州が1月11日現在で発表しているデータを集計しても、合計数は11万1,000人にしかなりません。この数字には、接種が比較的進んでいると考えられるモスクワなどが含まれていませんが、そのモスクワも12月末時点で7万人とされています。

モスクワのロシア国立研究大学経済高等学院の統計学者のミハイル・タム助教授は、これらを勘案して、数字は多分25万からせいぜい30万人程度としています。これ以外にも、軍隊や政府要人など、通常の接種プログラム以外の数もありますが、軍隊でも1月11日現在で5万に過ぎません

結局、この数字は、接種が実際よりも早く進んでいるように見せる対外、対内的キャンペーンであろうという結論になるようです。米国でほぼ700万人、中国で900万人が接種を受けているという状況で、おそらく人口の1%くらいは受けてないと格好が付かないのでは、という向きもありますし、接種にあまり乗り気ではない国民に接種を進めるには進捗を速く見せる必要がある、という向きもあります。

ただ、クレムリンの思惑とは別に、どうも内外でおちょくりの対象となっている感も否めません。何でもおちょくり好きの英エコノミスト誌では、ロシアが80万人に接種したと発表した1月初めには下のような風刺画が掲載されていました。

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