2020年のロシアの貧困率は2014年以来で最低

ロシア連邦統計局(Росстата)の速報値によると、1,780万人のロシア人が2020年末時点において貧困ライン(最低生活水準)を下回っていたと推定されています。これは人口の12.1%で、前年比で0.2%の低下、2014年の11.3%以来の最低であったとのことです。

2020年の1-9月期の貧困率は13.3%に達しており、世銀は昨年12月に当局による危機対応の支給がなければ、2020年のロシアの貧困率は14.2%に上昇すると予想していました。

Росстатаによると2020年第4四半期の社会保障支給額は3.4兆ルーブルと前年比で5.9%の大幅な増加となっており、名目賃金の上昇に加えてこれも貧困率の低下に寄与したとみられます。特に2020年12月にはプーチン大統領が7歳以下の子供1人当たり5,000ルーブルの一時金の「プレゼント」を発表するなど、子供のいる世帯に対する第4四半期の支給は1,105億ルーブルに達しています。

この一方で、НИУ ВШЭ(国立研究大学経済高等学院)の分析レポートによると、子供のいない世帯では貧困率を下回る世帯の比率は2020年において3.8%から8.3%に倍増しており(子供のいる世帯では政府の補助により大きな変化はなかった)、政府による補助の対象と対象外で大きな差が生じていることがうかがわれます。

ロシア政府の公式目標は2030年までに貧困率を6.5%に下げることのようですが、この方策として最低賃金の上昇率を賃金の中央値の上昇率と連動させるとしています。元財務相のクドリンさんは、まず子供の有無に関係なく社会保障の対象にしないかぎりこれは無理だと述べていますが。。

Росстатаの発表

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