ナワリヌイ氏の団体、「過激派」認定

モスクワ検察当局は今年4月にナワリヌイ氏の関連団体を「過激派」に認定するよう裁判所に訴えていましたがモスクワ市裁判所(Московскийгородскойсуд)は昨日、ナワリヌイ氏の「反汚職基金(ФБК:FBK)」、「市民の権利保護基金(ФЗПГ:FZPG、反汚職基金の正式な法人組織)」、そして「ナワリヌイ本部」の3団体を検察の訴え通り過激派組織に認定しました(検察発表はこちら)。

9月に予定されている連邦議会選挙を睨んだ反対派一掃の一環として、概ね予想されていた結果ではありますが、これで同氏の団体はアルカイダなどと同列の扱いとなり、すべての活動は禁止、活動に関わった者は6-8年の禁固と政治団体としては事実上の死刑宣告に等しいと言えます。また、最近議会を通過した法では、「過激派団体」の関係者、そして単なる支持者もあらゆるレベルの議会選挙に立候補することが禁じられたため、議会選挙ではナワリヌイ氏一派は一掃されることになります。

現況、ナワリヌイ氏などの反対派によって現政権が揺らぐ可能性は億に一もなさそうな話で、ここまでやるかという気もしますが、世の中一寸先は闇、億に一の可能性でも潰すところがプーチン流でしょうか。当局の訴状ではストレートに、ナワルヌイ氏一派が「(ユーゴスラビア、グルジア、ウクライナなどと同様の)カラー革命による政権転覆を企んだ」ということが認定を求める理由として挙げられています。

また、最近では、ナワリヌイ氏一派の他にも、現政権の反対派で議会選挙に立候補を予定していたドミトリー・グドコフ氏が「当局によるでっち上げの」刑事犯罪の嫌疑を理由にウクライナに逃亡したり、解散した野党「オープン・ロシア」の元幹部のアンドレイ・ピボバロフ氏が出国直前に飛行機内で拘束され刑事裁判にかけられるなど、選挙を前にして反対派の締め付けが一段と厳しくなっていることが伺われます。

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