米フォーブス「女性100人」にロシア中銀総裁

恒例の米フォーブス誌「世界で最も影響力のある女性100人(The World’s 100 Most Powerful Women)」で、ロシア中銀のエリヴィラ・ナビウリナ総裁が57位にランクインしています。同総裁は2014年に72位で登場して以来、同リストに度々選ばれており、2018年は49位、2019年は53位に入っています。

同総裁が就任したのは2013年でしたが、2014年にはウクライナでの騒乱に端を発したクリミア侵攻、それを受けたロシア制裁によって、ロシアの経済、通貨、金融システムには未曽有の圧力がかかることになりました。同総裁は変動為替、インフレ目標の導入、金利引き上げ、銀行セクターの大規模な整理など、極めて大胆で厳しい政策転換を一気にやり遂げ為替と金融システムの崩壊を食い止めました。

もともと経済畑の人で、金融界での経験はほとんど無かったので、不安視する向きも結構多かったようですが、この大危機に際しての采配とその後の改革を通じて政治的・経済的圧力に負けない有能なセントラルバンカーとしての評価が定まり、「Euromoney」誌の2015年「年間最優秀セントラルバンカー」、英国「The Banker」誌の2016年「欧州ベスト中央銀行総裁」に選ばれています。2018年にはIMFの「Michel Camdessus Central Banking Lecture」でレクチャーしています。

経済に関する「プーチンの耳」と呼ばれたり、プーチン大統領の信任が強いのは確かだと思われますが、以前は改革派のゲルマン・グレフ氏のシンクタンクのメンバーでもありました。

ところでフォーブス誌のリストでは、ロシアからはナビウリナ総裁1人だけが選出されています。ちなみに日本からは小池百合子東京都知事が63位に入っていますが。。。1位は10年連続で安定のアンゲラ・メルケル独首相でした。

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