10月は多忙で、ロシアのノーベル賞作家のブーニンさんの誕生日のことを書こうと思ってて忘れ、プーシキンハウスのBook Prizeのことも書こうと思って忘れていたのですが、こっちは10月末だったのでまだ書いてもええかと。
ロンドンのプーシキンハウスのBook Prizeは、ロシア関連のノンフィクション書籍を対象として選定される賞です。今年の受賞作はロシア国立研究大学経済高等学院のセルゲイ・メドベージェフ(Sergei Medvedev)教授の「The Return of the Russian Leviathan」で、日本語では「ロシアのリバイアサンの帰還」とでもなるのでしょうか、題名を見ただけで分かりますがロシアの「大きくて強い国家主義」への回帰について、政治的、社会学的、心理学的なアプローチで述べた評論集です。
原書はロシア語で、スティーブン・ダルジールさんが英語に翻訳したものが賞の対象となっています(プーシキン賞自体が英語の作品を対象としているため)。ロシア在住の(つまり、まだ亡命していない^^)執筆者が同賞を取ったのははじめて。
さっと目を通しましたが、現代のロシア政治について語るのであれば読んでおいてよい1冊であると思います。受賞はなりませんでしたが、日本にも少し関連するものとして、ゾルゲ事件のゾルゲさんに関して書かれた、オーウェン・マシューズさんの「An Impeccable Spy」も候補作にあげられていましたが、これもかなり面白そうです。