2月24日にロシアによるウクライナ全面侵攻が始って2年となりました。ウクライナから見ればロシアによるクリミア併合、東部侵入以来で10年の戦争ということになりますが。先日、収容所内で殺害されたナワリヌイが、10年前(2014年3月12日)にクリミア併合に向けた熱気で沸き立っていたロシア人に宛てて発したメッセージを目にしたので紹介しておきます。今のロシア人にもそのまま当てはまるメッセージだと思うのですが。。
ロシア人およびロシア連邦の市民全員に
帝国主義は悪であり愚かだ。それはロシアの人々の利益を損なうものだ
ロシアに必要なのは人的資本を発展させ、増大させることだ。そうすれば、人々は健康で、教育を受け、長生きし、今のように定年前に死ぬことはなくなる。ロシアは科学アカデミーを解散させようとし、オリンピックや奇妙な軍事作戦に資金を投入している。しかし、将来性は科学アカデミーの方が大きいだろう?
ロシア人にとって大事なことは領土を強奪することじゃない。すでに持っている領土を適正に管理することだ。地図を見てみろ、領土は山ほどあるじゃないか
ロシアはヨーロッパのような国家になり、1つの法律がすべての人に適用され、国富が国民のために使われ、公平に分配されるような国にならなければいけない
そのような国を建設すれば、みんなが集まってくるだろう。戦争なんかしなくても
当時、ナワリヌイは軟禁中で、メッセージは妻のユリアさんが代わりにインターネット上に出したもので長文ですが、これは最後のまとめの部分です。当時は(今もそうですが)露国民の大多数が併合に賛成で、反体制派も併合を巡っては完全に分断された状況の中でのメッセージでした。
クリミア時は米欧各国も甘い見方で、緩い制裁でお茶を濁した感じですが、日本に至ってはその後も、元首相がクリミアを訪問して「住民は喜んでいる」というのがメディアで紹介されたり、首相が制裁下のロシアをG8に戻せと主張したりと、相当なボケぶりでした。自分もボケていたので、人のことを言うのは何とも辛いのですが、今回もボケていると、世界は大戦前に逆戻りで、日本のような国には大変よろしくない状況が待っているように思います。