ノビチョク系の神経剤で昏睡状態に陥ってドイツで治療を受けていた(本人は当局による毒殺未遂、当局は狂言だとしています)ロシアの野党指導者のナワリヌイさんですが、13日にインスタグラムに投稿したビデオで1月17日にロシアのポベーダ航空で帰国すると宣言しています。
「帰るべきか、帰らざるべきか」などというようなことは考えたこともない。そもそも、私はロシアを去っていない。連中が私を殺そうとしたために、集中治療ユニットに入れられてドイツに送られただけだ。
当局はナワリヌイさんが帰国すれば投獄すると警告していますが、本人は「プーチンの召使たちが私の犯罪をでっち上げようとしているが興味はない」と述べています。
ナワリヌイさんの件については、プーチンさんは西側、特にドイツ/メルケルさんの出方をかなり読み違えていた(そして、まだ少し読み違えている)ふしがありますが、この件は東西ドイツ統一以後、欧州安定の1つの重要な柱でもあったモスクワ―ベルリン枢軸関係の終わりの始まりを告げる出来事の1つとなる可能性もあります。
しかし、ロシアでは何度も身の危険にさらされてもあきらめず、保護された先のドイツでもインタビューで政界の大物のシュレーダー前首相を「プーチンの使い走り」呼ばわりして大問題を引き起こしたり、トランプ大統領のツイッターアカウント凍結に対して「容認できない検閲行為」と非難して論議を巻き起こすなど、この人はやはりとんでもなく芯の強いロシア人なのですね。