コロナ感染が急拡大しているロシアですが、プーチン大統領はコロナウイルスに対する2番目のワクチンの承認を発表しました。今度も前回と同様に、大規模な臨床試験前の承認ですが、副首相のTatyana Golikovaさんと、ロシアの消費者権利保護および福利厚生監視担当相のAnna Popova博士が100人の人柱の一部として(?)接種を受けているようです(前回のSputnikでは大統領の娘さんが受けてましたが)。
製品名はEpiVacCoronaで、開発したのは旧ソ連の生物兵器研究所のVektorだということです。Vektorは天然痘ウイルスを保管している世界でただ2カ所の研究所の1つです(もう1つは米国のCDC)。Tatyana Golikova副首相によると、3番目のワクチンも12月中に承認を目指しているとのことです。
EpiVacCoronaは今後、試験参加希望者40,000人を対象に試験の予定で、Vektorは早急の60,000回分のワクチンを生産の予定だということです。
ワクチンができるのは、良いニュースではありますが、ワクチンは普通の薬とは違い、健康に問題のない人に大規模に投与するものであり、極小の比率での副作用でも大規模な健康被害につながる可能性があるため、厳しい試験プロトコルが定められており、それはロシアでも同様です。相次ぐ急行での承認はコロナ拡大に対する当局の焦りを反映していると言えるでしょう。